(1)沿革
本市は下水道の部に於いて述べる如く地理上水陸要衝の天恵を有するも北方直に海「に面する地形なるを以て市域自ら低湿なるを免れず、されば先に下水道を布設して汚水を疎通を講じ以て保健衛生を資する所ありしも井水は依然として不良のもの多く年々悪疫の流行を断たず、現に於て上水道を布設し下水道と相等つて衛生施設の完全を期し併せて火災に対する保安を維持せんとの講熟し其計画を元大阪市水道部長澤井準一に嘱託し設計の完成を告ぐるに及び大正13年12月15日市会に提出翌16日其議決を経其翌12月17日を以て内務大臣に布設の認可を申請し大正14年4月8日認可せらるゝに至れり。
(2)計画の大要
給水区域 : 大分市。
給水人口 : 第1期計画 70,000人、 第2期計画 10,000人
給水量 : 1日1人平均給水量 100ℓ、 1日1人最大給水量 150ℓ、 時間最大の1日給水量 200ℓ
水源の位置と其施設 水源は市内大字畑中地先大分川にして同所の寄洲内 七瀬川落合下流約450m、河底に内法0.75m角の鉄筋コンクリート造集水管を流心に沿いT形に延長222mに亘り埋設するものにして此有効長156mとし其周囲に穿ちたる無数の短冊形の孔より浸透水を集め導水管を経て接合井に至り喞筒吸水井に導くの構造なり、管中心高は毎抜1.5mにして総て水平に設置し周囲は砂利及び砂にて囲み以て清浄なる水を取るに務む、導水管は内径0.9mの鉄筋コンクリート管にして此延長148m。
ポンプ場及び送水線路
ポンプ及水溝は鉄筋コンクリート造内法4m角深さ6mのもの2個を連続築造し各井間は、457.2mm,
制水扉により連絡し覆って鉄筋コンクリート床版を以てす、送水ポンプはその数4台にして夫々毎分2.43立方mの水を総水頭65mの高さに揚水し得る電動機直結タービン型渦巻ポンプにして内1台を予備とす而して第2期工事に於いてもその適当のものを据え付け得るの設備とす、出水口は内径406.4mmの鉄管2条を用いポンプ場外に出で、1条となり量水管室に入り逆止弁を経て浄水場接合井に至る。
浄水場の位置とその施設
浄水場は大分市大字三芳にありこの所に濾過池及び配水池を設置す。
濾過池
濾過池はその数4個にして内1個を予備とす1池の大きさ幅30m、長さ35m2個宛相向かって配列しその間の側壁を導水溝に併用せり、濾過層は砂利厚0.3m、砂厚0.75mにして砂面上1.2mの水を湛えるものとす、池は全部鉄筋コンクリート造とし且つ池底にアスファルト工を施し漏水を防ぐ出口には節制機を取り付け濾過速度の調整を行う、濾過速度は24時間にして
3.5mとす。
配水池
配水池は長方形にしてその数2個とす、1池の大きさは長さ26.5m、幅20m、有効水深30m、2池合計3,180立方m最大1時間給水量の5時間分を有す、池は全部鉄筋コンクリート造とし底部はアスファルト工を施し以て漏水を防ぐ各池共2条の導流壁を設け水の停滞を少からしめ且つ覆蓋を設けその上に置土をなし可及的水の受くる寒暑の影響を少なからしむ溝水面の標高48mなり。
配水工事
配水管は内径457.2mmを以て起り中央幹線となり青山神社横を大道通に出で鉄道を横断し、西新町外堀の交差点に至り東部及び西部の両幹線に分れ、東部幹線は内径406.4mm西部幹線は355.6mmとなり以下順次管径を減じ本管は254mmを以て止む配水支管は内径203.2mmより88.9mmを用い給水区域の大小により適宜按配しかつ街叉点及び約100m毎消火栓を設置す、配水管中の最大水圧約32.7m、最小は幹線の末端に於いて優に19mを保ち得る計画とす。
(3)工事予算額
省略
(4)工期
起工 : 大正14年4月 竣工予定 : 大正16年3月
(5)関係技術者
顧 問 澤井準一
主任技師 坪根守利